「俺さ、悪いトコ直すから!だから、もう一回チャンスをくれよ!」
その場から離れようとするアタシの腕を掴んだ。
「離してよ!」
「何でだよ!俺は一途に思ってるだけだろ?」
「アタシはもう葵を信用できない!」
掴んでる手を振り放して、葵に背を向けた。
「俺、諦めねぇからな!!」
背中に言う葵の声がしたけど、アタシは無視した。
「あ、、、、」
腕には、葵が力一杯掴んでいたあとが残っていた。
手の形がつくほどに、、、、、、。
そのあとは少し痛みがはしった。
触れただけでこんなに痛みがはしるとは、、、、。

アタシは気付く。
アタシの欲しい人は、こんなに力強く握ってくれない。
握っていたあとをつけてはくれないのに。
何で欲しくない人ばっかりアタシを欲しがる?
どうしてアタシはその人ではなく、他の人を見てしまう?

「ユキ?」
いきなり呼ばれたせいか、アタシは体を震わせる。
「びっくりした、、、舜。どうしたの?」
舜は暗い顔をしていた。
「何かあった?」
明るく言ったのに。
「アイツ、幼なじみらしいな。」
気まずくなる話題を出す。
「そうだけど?」
「告白。」
「え、、、、、」
「両思いじゃん、よかったな。」
「は、、、、?」
「お前もさっさとOKすればいいのにさ、もったいねぇよ?」
「、、、、、、、」
「おめでとう、じゃあな。」
アタシをほっておいてその場を去った舜。
“両思いじゃん、よかったな。”
か、、、、。
両思いなんかじゃない。