12月24日

でも、楽しいのは家の中だけ。
学校ではマイのいじめられる姿を見るしかできない自分を追いつめるだけ。

いきなり大きな音がすると思ったら、教室の窓から教科書が降ってきたり、上履きがゴミ箱に捨てられていたり、、、、。
挙げ句の果てには、「人にケガさせといてそのツラねぇだろ-がよっ!!」
と、頬をグ-で殴っている。
人にケガさせてるのはアンタらだ。
と、毎回思った。
そして、殴られてはアタシを睨むマイがいた。
トイレに逃げ込めば上から水を流したり、教室に堂々と座っていれば背後からジュ-スのカンを投げつける。
“誰がやったのよ”
と聞けば、
“自分で考えればぁ~?”
と、小馬鹿にするのが日課のようなモノだった。

2年生になる頃、大きなリムジンが止まった。
嫌な予感がした。
みんなは窓から身を出すように見ていた。
アタシは急いで階段を駆け下った。
靴箱を出ると、やはりいた。
見慣れている大人二人と、モデルのような女。

「久しぶり、麗。」
結構遠いが、よく聞こえる。
「大きくなって、、、、、」
聞こえてしまう。
「へぇ~、普通ね。」
嫌な声が、、、、。