12月24日

「痛っ、、、」
「あ、、ゴメンネ。」
思わず声を上げると、パッと手を離した。
「酷いケガの割には、元気そうだけど、、、、やっぱりだめだね。病院行こう。」
先生は、手招きをする。
本当は、行きたくなかったが、これ以上ヒドくなると大変だから、素直に付いていった。

「命に別条はありませんが、安静にしていることが大事ですね。」
レントゲンを撮って5分後、医者はそう言った。
「あの、、、、出血したんですけど、、、」
「あぁ、頭ってのは大事ですから、衝撃が軽くても出血しますよ。まぁ、貴方のは凄かったですがね。」
書類をトントンとまとめながら、微笑んだ。
初めて見る、優しく穏やかな微笑み。
見てきたのは、悪魔のような微笑みだけだったから。
「そんな笑顔、初めてです。」
と、思わず言ってしまった。
「嬉しいです。褒めて貰ったのは久しぶりなモノですから、、、、」
少し顔を赤らめて言う。
「だめですよ?中学生の褒め言葉に照れちゃ」
「そうですね」
室内は笑い声で埋め尽くされた。