―コツン。



「あっ…」

『ん?』



伸ばした手が
誰かの手と重なり
俺は思わず手を
引っ込めてしまった。



「す、すいません…」

『いや、構わない』



俺は優しい声が
聞こえてきて
ホッとすると
顔を上げた。