部屋の片付けをミュとシサに任せ、ギルドへ駆け戻る。
ギルドの中に変化は無く、まだヒカルが侵入してきた事は伝わっていないようだ。
急いで階段を上り、静かに密偵部隊の部屋のドアを開ける。
中は静かで、物音ひとつしない。
後ろ手でドアを閉めると、黙って中へ入っていく。
部屋の中は乱闘があったようで、机や椅子が倒れたり、本が破れたりしている。
「戻ってきたか」
声がした方を見ると、ランスが机の上で片足を組み、もう一方の足を力無く垂らしていた。
「その右腕!」
「大した事は無い。唾をつけておいた」
ランスの右手は白い布でがっちりと巻かれているが、血が滲んでいるのが一目で分かった。
「毒は?」
「お互いに仕込んでいなかったようだ。ぴんぴんしたまま、逃げられてしまった」
力無く笑うランスの表情が少し痛々しく、顔を背けながら切られていない方の肩を背負った。
ランスはこのギルドの中でもトップクラスの力を持っているのだが、そのランスにしてこのざま。
この事実が漏れるとギルドに良くない影響が出そうなので、誰にもしゃべらないでおこう。
ギルドの中に変化は無く、まだヒカルが侵入してきた事は伝わっていないようだ。
急いで階段を上り、静かに密偵部隊の部屋のドアを開ける。
中は静かで、物音ひとつしない。
後ろ手でドアを閉めると、黙って中へ入っていく。
部屋の中は乱闘があったようで、机や椅子が倒れたり、本が破れたりしている。
「戻ってきたか」
声がした方を見ると、ランスが机の上で片足を組み、もう一方の足を力無く垂らしていた。
「その右腕!」
「大した事は無い。唾をつけておいた」
ランスの右手は白い布でがっちりと巻かれているが、血が滲んでいるのが一目で分かった。
「毒は?」
「お互いに仕込んでいなかったようだ。ぴんぴんしたまま、逃げられてしまった」
力無く笑うランスの表情が少し痛々しく、顔を背けながら切られていない方の肩を背負った。
ランスはこのギルドの中でもトップクラスの力を持っているのだが、そのランスにしてこのざま。
この事実が漏れるとギルドに良くない影響が出そうなので、誰にもしゃべらないでおこう。