光や爆音、煙が退いて来ると、シサとミュの姿が見えてきた。


「二人とも怪我はない?」


「こっちは大丈夫」


シサが答え、目視でも二人には危害がないようだ。


ミュはシサに抱き着かれ、少し苦しそうにしているが、変わった所はない。


「というか、シサはミュにいつも抱き着いているね」


「抱き心地が良いから」


そう言いながらミュを解放するきが無いシサは、ミュにほお擦りした。


ミュは憮然とした表情を浮かべているが、抵抗しないところを見るとまんざらでもない様子。


ファーストコンタクトはかなり険悪な二人だったが、どうやら仲良くなったようだ。


「それにしても、派手にやってくれたもんだ」


椅子や机は倒れ、マットは土埃だらけ、おまけに煙りが立ち込めているという惨状にため息が出た。


「…………ドンマイ」


シサの方から声が聞こえ、シサに抱き着かれているミュを見ると、ミュはぷいとそっぽを向いた。


「ありがとね」


なんとなく嬉しくなってそういったが、知らんぷりをするミュ。


そのミュの頭をシサが猛烈に撫でたが、撫でられているミュの表情が、心なしか和らいでいたような気がした。