とりあえず台所へ行き、冷蔵庫から卵を取り出してフライパンを火にかける。


フライパンが十分熱くなってから、といた卵を流し込んだ。


料理をしていると、思わず鼻歌を歌ってしまう。


もしかしたらこういう道の方があっているのではないか、と思わない訳でもない。


半分固まった卵を器に盛り、パンを取り出した。


それらを持ってシサ達が寝ている部屋に行ったが、まだ起きる気配がない。


一人でソファーに座ってモグモグとやりだしても、やはり起きない様子。


のんきなものである。


最後のパンの欠けらを口にほうり込んだ後しばらくしてから、三人が次々に起き出した。


「よし、じゃあ支度してー。早くギルドへ行かないと」


「おいおい、朝食はどうした」


早く出せ、と言いたげなランス。


目を輝かせて期待しているようだが、当然却下。


沢山の給料を貰っているのだから、部下にたかろうとするな。


「絶対出さないよ」


「全く、ケチだな」


渋々と言った様子でベッドから立ち上がったランスは、タオルを引きずりながら洗面所へ行った。


「…………ちょっと」


不機嫌なミュの声。


今度はなんだ?