ラストヴォイス


「神様助けてって、離さないでって何度も」

ヒロは繋がれていた手を振りほどく。

「あんた、何?」

「…」

「なんでそんなこと」

「信じてもらわなくてもいい、ただ伝えたいの」

「何を…」

涓はゆっくりとドアに近づき、さっきまでヒロが触れていた場所に手を触れた。