それから山道を登り下り曲がり、やっとのことで目的地である展望台に辿り着いた。


辺りは街灯1本のみ。

虫たちのオーケストラが鳴り響く。



リサが助手席の窓を全開にし、身を乗り出して空を眺める。


「キレー!!!」


リサが嬉しそうな声をあげる。


それと同時に俺は慌ててオーディオの音量を下げる。


いくら山道でも、こんな夜中に大音量じゃ迷惑車だ。