「ハルキってさぁ、なんでそんなに怒んないの?イライラとかしないわけ?」


いつだったか、君がそんなことを言っていた。

その日も、おそらく君の“思いつきドライブ”の途中だったような気がする。



「別に…イライラしたって仕方ないし…」

車内の暗闇の中で、動揺と呆れを隠しながら、俺は静かに呟く。


心の中では

「お前がイライラしすぎなんだよ…」

と思ってたけど、そんなことを口にしてしまったら、明日からの俺の人生の保障がなくなってしまう。

つまり、死んでも口に出来ないってこと。



「ふーん。アタシは無理だなー」

俺の気持ちなんてまるで興味がないような口調で君は言った。


そりゃそうだろうよ…。

おかげで俺は、君専用の苦情受付センターを開業出来そうなくらいだからね。

本業より、むしろそっちの方が儲かりそうだよ。



しかし、こんな君と付き合ってもうすぐ3年になる。