すっかり季節は冬への準備が進んでいた。

人々はそれを待ってましたとばかりに、クリスマス色に飾り始めた。

百貨店の前に置かれた巨大なクリスマスツリーに、呑気な恋人たちは各々ロマンチックな気持ちを巡らしていた。

「去年の今は、こんな感じだった。。。」

彼はその時、前の彼女によって何よりも、孤独感から解放されていたことが分かった。

「セフレじゃねぇ。

便利な女じゃねぇ。

やっぱ大好きだって言える彼女だわ。

また浮気されて別れるかもしれないし騙されるかもしれない。

でも、怖がってちゃなんも始まらねぇ。」

彼がヘタレと言われているのが、この日、少しだけ似合わなくなった。