「無理無理。こいつを抱く妄想すらしたくないのに実物を見れるかよ。。。」

彼は急用ができたといい、一時間もしないうちに彼女と別れた。

その時間の大半を、どうやってとっとと帰るか考えることに彼は費やした。

「急用ができた」という言い訳は最初に考え付いたものだ。

それは、自分の気持ちを最も薄いオブラートに包んだものだと確信していた。


二人の間に心が通じる会話が全くなかったのは言うまでもない。