「すいません、金ないです。じゃ、失礼します」 柚羅の手を引っ張って、部屋を出ようとする俺の肩を部長が掴んだ。 「そんなんで、許されると思ってんのか?」 「いいかげんにしてください。ないものはないんです。じゃ…」 そう言うと部長が、俺の肩から柚羅の腕へ手を動かした。 「柚羅は俺のだ」 プチン 俺の中で何かがきれた。 金借りて、それで俺のだ? アホじゃねーのこいつ。 俺は気づいたら、部長を殴っていた。