「……雷、嫌いなの。少しここにいさせて」

 雷鳴が轟くたび、肩を震わせる。
 物置の屋根をたたく雨音が、ひどくなる。
 ひときわ明るく稲妻が光り、大音響とともに衝撃が来た。

 近くに落ちたなと思った時……




 白い帽子が落ち、僕の胸の中に彼女がいた。





 彼女の息遣いが間近に感じられる。
 また雷鳴が轟いた時、僕は彼女を抱きしめていた。