勢いよく、俺の腕の中に落ちてきた黒いカタマリを 間一髪で受け止める。 その正体は―― 落ちてくる前、“きゃっ” 小さな悲鳴が弾けたのを この耳は、確かにキャッチしていた。 「お前は……ネコか」 腕の中に落ちてきたのは、小さな女の子。 「……むっ」 “ネコ” そんな単語に不機嫌になったのか そっぽを向いてしまった。 これじゃあ……まるで ――ホンモノのネコみたいだ。 ――…なら 連れて帰っても、いい?