今まで感じた事のない安心感に包まれ、

まだ水を含んだ美桜の髪に指を通しながら撫でる。



本当は、


『逃げちゃダメだよ』

そう言うつもりだった。


開けっ放しの窓を見つめながらそう思う。



きっと、その気になればソコから飛び降りるだろ?


でも……もう、そんな心配はいらないみたいだった。




「ベッド勝手に使ってていいから……休んでて」


ワンピースになってしまった、

Tシャツの裾から伸びる
白い足を出来るだけ見ないようにしながら。



長い髪にキスを――…落とした。