ハッとして、振り返ると―― カタカタと、 肩は小刻みに震えてるくせに、 ほとんどボタンが弾かれたシャツを必死に握り込む小さな手は、 力なく震えているくせに。 ギュッと唇を噛み締めて、涙がこぼれそうな大きな瞳は――― 精一杯、俺を睨んでいた。 ネコがまるで 逆毛を立てて威嚇するような 強気な 瞳――― はだけたシャツから 覗く白い肌には いくつかの痕が主張していた。 俺が一歩、近付くと――