ブレザーは、
もう光が届いていない路地の隅に放り投げられ、

その下に着ているシャツのボタンが乱暴に弾かれていた。




「――おい、押さえ「てめぇ」


さっき拾ったボタンをギュッと握りしめてポケットに突っ込むと



腕を固定している、ひとりの男に掴みかかった。


多分、すごい険相で。




――その後の事は……よく覚えてない。


もう、夢中だった。




乱暴に触れていたヤツらが許せなかった。



ハッと気が付いた時には、必死で逃げようとするふたりの後ろ姿が視界に映った時だった。