また、甘えんぼうになった気がする。


でも、いいんだ今は。




「あ~ん」

口まで運んであげると、ちゃんと食べてくれるネコを、また愛しく感じて。


こうやって、――たくさん甘やかして。


もう、二度と俺から離れられないように。


離れていかないように。



そんな俺たちが気に入らない志月は、俺と美桜の間にズイッと箱を差し出す。



「シュークリーム」

「えっ……本当?」

――ありがとう、志月。


そんな言葉ひとつに、顔を赤くさせている。



「美桜チャンの為に買って来たんだよ」

そう言って、箱の中からふっくりと膨れたシュークリームを差し出す。


……ひとつ。


俺にはねぇのかよ。