「はゎ……っ」

閉じられていた瞳の中、月の光が映し出される。


「ち、違うよ……っ」

慌てたように取り繕うネコ。


可愛い顔して、いつ“嘘”を覚えたのか。

油断も隙もないな……。




「嘘ツキ」

「ひぁっ、……ごめんなさい…」

柔らかいほっぺを、みょ~んと引っ張る。

素直に謝れるのは、嘘をつくことを覚えてもまだまだ純粋な証拠。



「一瞬、忘れてたでしょ」

「……ん」

素直に認める美桜に、クスッと笑いをもらしながら本題を切り出した。



「美桜の父親について、聞かせて欲しいんだ」

「お父さんに、ついて……?」