そう言って志月の髪をスタイリングしてやった。

コテを使って髪をふんわり立てさせて、無造作にチラしていく。


なぜかこれだけには、自信がある俺。

無駄に器用な自分に、なぜか笑いが込み上げた。




「……出来た」

「わぁぁっ」

鏡の中で瞳を輝かせるのは、ブローをしてオシャレをさせてもらった上機嫌なネコ。


――…じゃなくて

コテで巻いた緩くカールする髪をトップでまとめポニーテールにした美桜。

結び目にはデカい赤いリボンが飾られていて。

それは美桜が元々持っていたものを借りた。



「未来上手」

ふふ……と、鏡に映る俺に笑ってみせた。



「ん、上出来」

髪をアップにしてるから、うなじがむき出しにされいて。

普段髪をおろしている美桜のギャップに誘われるままに。



「……、ひぁっ」

うなじに唇を押し当てた。