ヒトの温もりを知らない美桜には一緒に過ごすことすら、意味を持たないだろう。 そんなの、寂し過ぎる。 モノと引き換えに、 カラダを差し出すなんて。 それに…… 「震えてる……」 胸の中に抱かれたネコは、まだ頼りなく震えたまま。 安心した表情を、見せてはくれない。 「……イヤ?…私が…汚いから」 その言葉と共に、 胸の奥でつっかえたままの感情が 小さく、弾け飛ぶ。 「本当に、俺がそう思ってるように見える?」 抱きしめていた腕を少しだけ緩め自分から視線を絡ませる。 「……思って、ない……」