「――お、おい……ッ」

出た……これで、4回目。


俺が志月をスルーするのは、
これで――3回目。



1回目は


「おい……!美桜チャン似の可愛コちゃんがッ」

「――たくッ、どこだよ」


急に激しく肩を叩かれて
振り返った俺も、俺だけど……。


志月が指差す女。


――全然、似てねぇじゃん。




「ほら、女探してないでマフラー探せよ」


悪ぃ、悪ぃ。

そう言って俺の後ろを駆け足で付いて来る。