俺はゆっくりと口を開いた。

俺が中学生の頃は不良だったこと、

遠藤の事件があって不良を辞めたこと、

そして、その時から

リストカット癖が始まったこと。

佳恋さんには話していたが、

優には告げないままにしていたことだ。

「昨日はよく覚えていないけれど、

酒を飲まされてパニックになって、

それで、手にナイフなんか…」