優は何も聞かずに病室の戸を開けた。

まだ目を覚ましたばかりの俺は驚いた。

「優?」

小さく声を発した俺に近づくと、

優は平手打ちをした。

「悟、何してんだよ。

何で姉さん泣いてんだよ。

何で僕に相談してくれなかったんだよ…」

優は声を震わせていた。