「セイ!宮里晴って言うの!」



名前を出したとたん、胸が苦しくなった。


アイツの声が、笑顔が頭の中で鮮明に思い出される。



「も…やだ…」



やっぱり全然忘れたりなんてできなくって。


アイツしか浮かばない。

あたしの頭ん中は、アイツだけでいっぱいなんだ…。




「なに?未練たらたらって感じ?」


「うっさい!関係ないでしょ?!」



すごく泣きそうになっていた。

鼻の奥がツンとして、目頭が熱い。



せっかく、せっかく忘れようと思ってたのに。


せっかく、思い出さないようにしてたのに。




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