母シーナと父オガミに朝の挨拶をし、村の入口に足を進めた。
そこには、村人全員が見送りに集い別れの涙を流していた…


村長が、旅の安全を村の守り神『シャリマティア』と村の戦神『ドラムンバ』に祈りを捧げた。
シャリマとドラムの由来は、イッコク村の守り神と戦神から来ているのだ。


そして、イッコク村で採掘した宝石を加工して作った御守りを、シャリマは首に着けさせてもらい、ドラムは尻尾に着けて貰った。


ドラムは言った。
この旅を、無事に終わらしたら、また村全員で祭りをしよ。
オレ達絶対に世界を救って無事に帰るから、それまで、オレ達の無事を祈って待っていてよ。

シーナは、涙を堪え切れなくなりドラムを抱締めた。
シャリマもまた、母シーナの涙を見て涙した。

父オガミは言った。
今から泣いて居たのでは、世界を救えないぞ…と何処か悲しげな笑みで言った。

そっと、ドラムはシーナから離れ涙を尻尾で拭った。シャリマも涙を拭い決意を固めた。
そして、ドラムとシャリマは180°回転し、足を彼(か)の地に歩みを進めた。


決して後ろを振り向かずに。

今振り向いたら…