案ずるな…
ワシは、もう…ろくに動けぬ。
間も無くワシは、もの言わぬ骸(むくろ)になる…
さすれば、誰も悪しき雲を封じる事が出来ぬ。
悪しき雲とは、世界を食らう大きな災い。


そこで、ワシの頼みを訊いてくれ…


ワシのチカラを、お主の腹の双子に託したい、そして悪しき雲を払い世界に安寧(あんねい)をもたらして欲しい…
ワシとお主が出会ったのも運命…
まだ、神は世界を見捨てていない証。

シーナは、最初信じられなかった。そんな世界が終わる出来事が起きてるのが実感出来なかったからだ。
だけど、伝説でしか聞いた事がない白龍が目の前に居る、しかも傷つき弱り切っていた。

信じるしか無かった。

シーナは、戸惑いながらも白龍の頼みを受け入れました。


白龍が言いました、ワシの鼻先まで近付いてくれ…
シーナは、もしかしたら食べられるんでは無いかと思いながらも足を、白龍の鼻先まで進めました。


そして白龍の大きな口から、温かい光の粉が吐き出され、シーナのカラダを覆い尽しました。
やがて、光の粉はシーナのお腹に吸収され、お腹には、白龍がつけた紋章が浮かび上がりました。

チカラを託し弱り切った白龍が言いました。