悪しき雲…その雲は光を奪い、雲から降る雨は生者を死者と化す。また、地上を冷却し、絶望の大地へと変える。
その悪しき雲の力は、世界の番人…四神龍(ししんりゅう)をも滅ぼし『世界』は確実に悪しき雲と言う名の癌(がん)に蝕(むしば)まれている…


今、世界の1/4は悪しき雲に蝕まれ蝕まれていない地に、人々は流れ難民が増える次第。

そのせいで先住民を脅し、金品や食料、女、子供を奪い、治安は最悪化する一方だった…
悪しき雲によって、絶望の大地に変えられた大地は、新たな生命を作り始めていた。
禍々しく、暗く、重く、純粋と言って良い程の『悪』を持った生き物が次々に産まれていた。


餓えた魔物は、光の世界の生き物を欲し、今も絶望の大地でフツフツと悪しき雲の子供達が生れてる…


この悪しき雲は、自然発生で現れたものでは無く。バルドと言う男が生み出した産物なのだ。
最下層の身分の家に産まれ、中流層や上流層に『人』として扱われない暮らしに嫌気と憎悪を抱いていた。

彼は、毎日街の人々が撒き散らした、糞尿を始末するシゴトに就いていた…いや『就かされていた』が正しいだろう。