ふと、文字の海の中で何かが横切る。 目を凝らせば、小さな子どもだった。 4、5歳くらいの髪の短い子ども。 裸のままゆらゆらと、文字の海を泳ぐ。 あぁ、そうか。 君はズコツだね。 僕がそう呟くと、子どもは僕の方を向いて、僕と形がよく似た小さな口を動かした。 「オ、ト、ウ、サ、ン」 音のない、唇だけが紡いだ言葉。