「そういえばさ~、今日から教育実習のセンセー来るんだよねぇ? どんなヤツだろうね?」
"ぶっさいくだったりして…"なんて、実は隣の席だったりするサキが独り言を言ってる。

そんな呟きに耳を傾けていると、「静かにしろ~! 教育実習の先生が来てるぞ~」と、30代2児の父でもある山チャン事、山崎先生がその人を連れて教室に入って来た。

私は前を向いて、その彼を見た途端、胸がドキドキして…、顔が熱くなって来て…、教壇から目が離せなくなった。

何これ?
私どうしちゃったの?

教壇に上がった彼は、
「今日から1ヶ月この学校にお世話になります、M大学から来ました…
"坂本 奏太(カナタ)"です。担当教科は現代社会です。このクラスの担当もします。これから1ヶ月よろしくお願いします」と、爽やかに挨拶した。

見た目はとびきりイケメンて言う訳じゃないけど、背が高くやせ型で何より爽やかさがステキな先生だった。

ここは女の園の女子校。普段周りにいるのは結婚してる先生ばかりなので、若い、年の近い先生を見て、みんな目がキラキラしてた。

隣のサキは…、「ふ~ん社会ね」なんて興味なさげだったけど。