「総司〜!」
窓ガラスを割らんばかりの大きな声が外から聞こえてきた。
ちょうどパンを口に詰め込んだばかりの総司は、それを慌てて飲み込むと椅子から立ち上がり窓を開いた。
そこには、金色の短髪をまるで針ネズミのように立てた少年が立っていた。
「おはよう!平助!今日は早いんだね?」
“平助”と呼ばれるこの少年…彼も総司同様、ペリーの被験体である。
被験体名は“藤堂平助”。
今は総司と同じ高校に通う16歳の少年である。
ちなみに総司は17歳で、平助より学年は一つ上である。