「…寒いな。風邪引いたら困るし、行くか」 気まずさに耐え兼ねて、立ち上がろうとした俺に、亜矢の声が聞こえた。 「ずるい…」 え? 「悠斗君、私をからかってるの?なんでこんな風に、私の気持ちかき乱すような事ばっかりするの?」 「亜矢?」 「…私、こういうの慣れてないの。デートだってした事ないし、手だって繋いだ事なかった。 恥ずかしい位、私ばっかりいっぱいいっぱいで…それなのに、悠斗君はすごく余裕あるみたいで、どっちが年上かわかんないじゃない…」