「…亜矢?どうした?」


「え?あ、ううん。何でもないよ」


二人並んで歩きながら、俺は微妙に距離を空けていた。


もう少しで亜矢の家に着く。

帰したくない気持ちが膨らんで、変な事をしてしまわないようにと思ったから。




それなのに、さっきから亜矢の様子は変だった。

俺、なんかした?


「亜矢、ちょっとだけ寄ってっていい?」


指さしたのは小さな公園。


「寒いから、ちょっとだけでいいから」


亜矢は不思議そうな顔をしながら頷いた。