亜矢は危なっかしい歩き方で、俺は今にも転ぶんじゃないかとハラハラした。 俺の姿を見つけたようで、時計を何度か見て、更に急ぎ足になる。 だから、遅れてねぇんだから、急ぐなって…! 「亜矢!!走るなって!転ぶぞ!」 親切で言ってやったのに、周りを見て真っ赤になって焦ってる亜矢。 近くまで来て、俺を睨みながら言った。 「悠斗君の馬鹿! あんなおっきい声出さないでよ!恥ずかしいじゃない。子供じゃないんだから!」 …充分子供っぽいと思うけど。 って言葉は、また怒らせるから口には出さなかった。