その日、やっぱり台所を通りかかると様子が気になる。
中をそっとのぞくと、優太の姉は一人で片付けをしていた。
「あの…」
「え?…どうしたの?えっと、成田君だよね?」
俺の名前、なんで知ってんだ?
「…なんか…手伝いますか?」
俺、何言ってんの?
優太の姉は、意外だったようで、面食らった顔をしていた。
「…ありがと。優しいんだね、成田君。でも勉強会なんだから、勉強しなくちゃ駄目だよ」
にっこり笑う優太の姉。
…なんで?なんでこんなに気になるんだ?
俺、おかしくなったのか?
「あのさ…」
「ん?何?」
「…名前、なんていうんすか?」
「…え?亜矢だけど…」
「俺、悠斗っていうんで。呼び捨てでいいです」
「…は?」
「よろしく、亜矢」
…亜矢の引きつった顔を見て、俺はにっこり微笑んだ。

