悠斗君の手は暖かくて、まだ降り続く雪があたらないように、 上着のポケットに繋いだ手を入れてくれた。 「亜矢、あのさ…」 「…何?」 「日曜日…空いてねぇ?」 こないだ「デートしねぇ?」って悠斗君に言われた事を思い出した。 …本気で言ってるの? 「あ、警戒すんなよ。今度、母さんの誕生日があるんだ。だから」 悠斗君は私の顔を少しかがんで覗き込むようにして言った。 「…プレゼント選ぶの付き合ってくれたら助かるんだ、マジで」