わたしはまた恋をする ~年下の彼~



「…なんで黙ってんだよ」


「…悠斗君こそ。なんか喋ってよ」


二人で家までの道を並んで帰る。


なぜか二人には微妙な沈黙。悠斗君はまだ機嫌が悪いみたい。


もう、なんで私が悠斗君と二人で歩かなきゃなんないのよ…。


「だからさ、君づけはやめろって。呼び捨てでいいって言ってるだろ」

「しつこいな。呼び捨てになんてしないってば」


そう答えると、悠斗君は黙ってしまった。


あれ、言い過ぎた…?


そう思った瞬間、右手にぬくもりを感じて、驚きで急に顔が熱くなる。


悠斗君の左手が、私の右手をそっと握ってきたから。


「嫌?」


悠斗君は、いつもより小さな声で呟いた。


「…嫌だったら振りほどけよ」