私はその写真を見ながら口元が緩んだ。
まだ彼を好きだと自覚してなかった頃の自分。
「本当にあの時はごめんなさい…」
麻美ちゃんが深々と頭を下げてそう言うから。
やっぱり私は麻美ちゃんが嫌いになれないんだ。
彼女の右手には指輪が光っていて、少し離れてこちらを覗っている人の姿を私は見逃さなかった。
麻美ちゃんには、彼女を分かってくれる人が、ちゃんとできたみたいだよ。
「…うん。お母さんは元気にしてる?」
「ママは、ちゃんと元気にしてますよ。亜矢ちゃんにまた会いたいっていつも言ってます」
私がまた、悠斗君のお母さんに会える日が来るのだろうか。
「ありがとう」
そう言って、麻美ちゃんと別れた。

