「まだ、来てないんですか、ハル」
彼女の言葉に、私は苦笑いする。
私達はあの日以来、
会ってないし連絡もしてない。
私が私を守るために言った最後の我儘を、悠斗君はちゃんと聞いてくれた。
どこまでも優しかった、彼。
「きっと、もうすぐ来ますよ。心配しなくても」
「……」
もう春休みに突入していた。
「そうだ、これ、亜矢さんに返そうと思って」
彼女が取り出したのは、一枚の写真。
「ハルが持ってた、亜矢さんの写真。大事にしてましたよ」
「え…?」
写真に写ってるのは、あの頃の幼い私と、優太と、悠斗君。
この写真を撮った時を私は覚えてるよ。
一緒に撮ろう、と並んで言われた時に、優太が割り込んで来たよね。
しかも写真は優太に没収されたと、ふくれっ面して怒ってた。

