悠斗君のお母さんの誕生日は嘘だったって後から聞いたけど、
あの宝石箱は、今でも彼は持っているのかな。
どうせなら、私にくれれば良かったのに。
私に悠斗君を思い出させてくれるのは、もらったマフラーだけ。
どんなに彼を想っていても、悠斗君の写真だって一枚も持ってはいない。
そして私は、飾られた写真をゆっくり眺めて歩いた。
麻美ちゃんの小さい頃の写真。
お父さんと思われる人と麻美ちゃんのお母さんの笑顔の写真。
幸せそうな写真の中に、若干の違和感を感じた。
お兄さんがいるって言ってたのに、そのお兄さんの写真が全然ない。
ちょっと見渡してみると、小さな男の子が映った写真を見つけた。

