残された私は、ゆっくりとリビングを見渡す。
綺麗に片づけられた部屋…。
サイドボードや棚の上にはたくさんの写真立てが並んでいた。
私はそれを遠くから眺めていて、ふと目を止める。
思わず立ち上がって、その小さな箱を手に取った。
「わぁ…これ…あの時の」
小さな木製の宝石箱。
開けると流れ出すオルゴールの曲。
「曲まで、一緒だ…」
ずっと前に、たった一度だけの悠斗君とのデートで、私が彼のお母さんにと選んだ誕生日プレゼント。
それと全く同じ物をこんな所で見つけるなんて。
「懐かしいな…」
私は、その蓋をゆっくりと閉めた。

