予想外の言葉だったのか、優太が一瞬黙った。


「…本当だな?もう、ねーちゃんの事は…忘れたって言うんだな?」


「………」


俺は無言で頷いた。





悪い、優太。俺は嘘つきだから。





好きだよ。


忘れてなんかねぇよ。


逢いたくて、逢いたくて…気が狂いそうだった。


亜矢の笑った顔が、怒った顔が、照れた顔が、

忘れたくても頭をよぎって。


無理矢理、頭の片隅にやろうと頑張っても、

夢に出て来るんだ。


そして夢の中で決まって、


亜矢は泣いてる。



「それはそれで…めっちゃムカつくんだけど」


優太が矛盾した台詞を呟いた。