路地裏に入って、身を潜めて震える手で携帯を取り出し、優太の携帯にかけた。



『ねーちゃん?』



「優太!!お願い助けて…!!」


『ねーちゃん!?どうしたんだよ!?』


優太にうまく伝えられたか分からないけど、必死で今の場所と状況を説明した。


『…ねーちゃん、今から行く。絶対にそこから動くなよ!!』


足が震えて、もう走れそうになかった。




しばらくして私が息を潜めてうずくまっていると、足音が聞こえて少し顔をあげた。



「ひっでえな。麻美の奴、話がちがうじゃねーか」


私の腕を掴んで無理矢理立たせたのはあの男だった。