「…行ってしまったらそうそう会えない場所だから…お父さんが見送りに来てって言ってくれたのよ…。悠斗は、母さんに会いたくなかったかも知れないけれど…」
母さんはそう言って、鞄から小さな包みを出す。
「…これを玄関先で見つけた時、絶対に悠斗からだと思った。だから…図々しく会いに来たの…違うかしら…?」
母さんの手元には、小さな宝石箱。蓋を開けると『愛しのエリー』が流れた。
「…ああ。俺だよ」
「これは、母さんにくれたクリスマスプレゼントって思っていいの?」
俺は、ちょっと間を開けて答えた。
「…誕生日プレゼントだよ… 7年分の…」
そう言った俺の頬には、多分あの頃以来流した事がなかった涙が溢れて、ぽたぽたとダウンの上に落ちた。

