下山 翔 彼とであったのは2年前の入学式。 真新しい念願の高校の制服を着た 満開の桜の木の下… とかじゃなくって。 普通に教室。 別に誰にも興味なかったから 今でも友達は両手の指の数で収まったし、 人と関わるのは好きじゃない。 つまらない入学式が終わって 2ヶ月くらい経ったころ。 「ねぇ」 机に突っ伏して寝てたいつもの昼休み。 雑音に混じって 一人の男の声が聞こえた。