「普通だ。人並みだな」 「えぇー。絶対違うわよ。まず肉体からして普通じゃないもの。筋肉の塊だわ」 「仕事が仕事だからな。なよなよしてる訳にはいかない」 「そっか。とっても素敵よ。私、慎矢さんの全部が好き」 コーヒーカップをテーブルへ置くと慎矢さんの胸にそっと抱き着いて静かに鼓動を聞いていた。 「…生きてる証の音が聞こえる…」 「フッ。俺にも確かめさせろ」 そっと私を胸から離すと慎矢さんの大きな手が私の頬に触れる。