「……朱里と同じ思いさせてやりたいが……今回は見逃してやる。だが、ただで済むとは思うな…?」



彼女の手首を離すと腰が抜けたのかその場にしゃがみ込んでしまった彼女を一人残して上着を着ると私を引っ張り部屋を後にした。



「慎矢さん。薬は…大丈夫なの?」


「…朱里」



車の傍まで辿り着いた時、慎矢さんは私の腕をぐっと掴み胸へ押し付ける様にして強く…とても強く私を抱きしめた。