社長の息子と恋




帰り、昇降口に行くと、この前告白してきた心亜の友達が立っていた。


無視して通り過ぎようとしたが、秋元先輩!という声に呼び止められてしまった。
仕方なく目だけ動かして女を見下ろした。


「…あの…今日、一緒に帰りませんか?」


『………はぁ?』


ギロリと睨んでも俺の目を真っ直ぐ見て来る。
俺はうざくなってフイッと女の前を横切った。


「待っ……!
心亜、直哉先輩と付き合うって言ってました!
だから今日は秋元先輩一人かと思ったんです!」