社長の息子と恋




愛とか恋とかは知らないけど、俺はきっと心亜が大切だった。
特別で、自分も特別なんだと思っていた。
どれだけひどい事を言ったって、ニコニコ笑っている心亜に甘えていた。


何やってんだよ俺は…


俺の家から出て行く心亜を窓から見つめた。


次の日、久しぶりに一人で学校へ行った。
なんだか変な感じで、つまらなく感じた。


教室のドアを開けると、直哉が少し怒った顔で俺を出迎えた。


『…なんだ。』


直哉の鋭い視線を無視して机にカバンを置くと、グイっと手を掴まれた。